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広色域インクジェット10色機導入しました

鮮やかRGBインクジェット10色機導入

はじめに

印刷会社でもあるニプリはCMYKに強いこだわりがありました。インクジェットはどうしても不自然な色調になりがちで敬遠していたのも事実です。しかしながら、RGBでのご入稿が多くCMYK変換後にガラリと色調が変わってしまうのを心苦しく思っておりましたので導入する流れとなりました。

CMYK変換するとなぜ色調が暗くなる?

最初からCMYKで制作する場合はCMYKの配色に気を使って暗くならない配合で作成したり、後で配合を変更できる形でデータを作成しています。
RGBで作成される場合、もともと無理なビビットカラーがRGB標準色になっているので専用ソフトで工夫して変換したとしても変な配合になってしまいます。
印刷屋からするとピンクにC(青)が入っていたり、イエロー100%だろって思う黄色にC(青)が入っていたりとにかくめちゃくちゃな時があリます
皆様の経験から例えると絵の具を混ぜる感覚でC(青)とM(赤)とY(黄)を混ぜるとこげ茶色になります。
たとえそれが少しだとしても綺麗なビビットやパステルなどに少しでも入ると暗くなるのです
そうならないように経験を生かしてCMYK変換をしてきましたが、色域の差はどうやっても埋まることはなかったです。
業界では当たり前の話なのですが、デザインソフトで有名なAdobeのIllustratorアプリにもCMYKの設定はなくRGB標準色ですし、文字だけの印刷以外はインクジェットで印刷ですね、ぶっちゃけオンデマンドより綺麗だし・・・


オンデマンドとインクジェットの違い

オンデマンド機はオフセット品質に近づけようと作られたレーザープリンターとなります。レーザーで静電気を起こして粉トナーを付着させるのでインクの滲みが殆どなく細かい文字はインクジェットに真似できないほどクリアです。また、網点方式なのでオフセット品質となります。雑誌や本などの殆どがスクリーンと呼ばれる網点方式で印刷されているので最も歴史もありポピュラーな印刷物となります。また、CMYKのJapancolorで色調を統一できるので、ディスプレイで見てもプリントしても同じ色調で出力できるようになっています。用紙を選ばないのも特徴で安価に入手可能なオフセット印刷用紙を使用でき種類も豊富です。ただ、網点になっている為に色調に関して用紙の地色に左右されてしまうので写真は画質を落とすように要求され、本来の高画質が全くの無駄になるケースが多いです。
あと、ベタやグラデーションに弱い・・・優れているところは小さな文字や細い線が綺麗なのと、コスパがいいこととCMYKの再現性だけですね。

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インクジェットは水性インクを用紙に付着させて印刷します。インクジェットの出力解像度が高いほどその粒が小さいわけですが、印刷用紙に影響を受けやすく細かい文字などは一般的に使用する用紙では必ずインクの滲みが起きます。インクジェット専用用紙でないと綺麗に印刷することが出来ませんのでコストパフォーマンスは悪いです。ただ、専用用紙で印刷すると驚くほど綺麗に印刷出来ます。オンデマンド機は基本的にCMYKのカラーのみか、+α程度の色域に対しインクジェット機は8色機や10色機などによりAdobeRGB以上の色域に対応出来ます。苦手なのが細い線と濃いベタの白抜きや小さな文字ですが、他はオンデマンドやオフセットは敵じゃないくらい優れています・・・印刷屋としては悔しいですが。
コスパは酷いですけどね、インクも高いけど用紙が特に高い。

広色域インクジェット機を導入して見て分かったこと

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正直スゴイと思いました。モニターそのままの色調で印刷出来きるのはもとより、蛍光色が何色でも同時に印刷できることがスゴイです。オフセットで出そうと思うとCMKYに加え特色の蛍光色が色数分だけ必要になりますし、RGBの色調は構造上無理だと思います。PANTONEの99%をカバーって簡単な話、金銀パール以外は全て表現できますってことなのでスゴイです!ただ、99%を実現するには高価な用紙が必要になりますので、実際の所バッジの印刷では95%程度になるのでしょうか・・・それでもやばいです。ただ、元画像より広色域に設定して印刷すると元画像と全然違う仕上がりになってしまったりします。例えばsRGBをAdobeRGBでプリントするとさらに鮮やかにはなりますが色調が違ってしまいます。データの作成環境と同じプロファイルでプリントしないと同じ色調にならないみたいです。

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